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七倉岳 (船窪冬季小屋泊) 

北アルプスにある残雪期の七倉岳に登ってきました。
この時期としてはマイナーと言うかマニアックと言うか、玄人好みと言えば格好いいですけどね。
2日間とも誰にも会う事はありませんでした。

船窪小屋から見渡せる景色
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今回は小屋泊まりとはいえ、小屋が積雪で使えない場合を考慮してテントを用意して行きました。
いつものテント泊だと荷物は夏場1泊で大体11~12Kgですが、
今回はスコップ、ワカン、ピッケル、アイゼンが加算されるので15Kg超になりました。


その荷物の重さもあるのでしょうが、ふみ抜きの連続、ルートファインディングに手間取り、
標準コースタイム登り6時間のところを11時間、下り4時間のところ6時間かかりました。
僕の登山史上、稀にみる過酷さでした(笑)

登った日:2017年5月2日~3日  天候:2日間とも晴れ


朝7時30分に七倉山荘前を出発。
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橋を渡りトンネルの横から沢沿いに少し進むとこの標識。
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登山口付近でショウジョウバカマが咲いているのを見つけました。
後にも先にも花を見かけたのはこれだけでした。
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沢を挟んだ隣の尾根には北葛岳が絶えず見えています。
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最初からかなり急な上りです。
この隣の北アルプス三大急登と呼ばれているブナ立尾根に勝るとも劣らない斜度です。
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140m毎にあるというこの標識はこの先雪に埋もれていて見かける事はありませんでした。
とりあえず登山口から140m登ってきたようです。
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さらに140mぐらい登った感じの場所に到着。
この辺りから夏道を残雪が塞いでいて、どこをどう登っていいのやら・・・
雪が途絶えた先の藪漕ぎだけは避けたいので慎重になります。
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んー、やはりこのルートではなかったようです。
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今度は大きな岩が行く手を阻んでいます。
以前登られた方の記事から、左に回り込めばよいとの予備知識は入れてきました。正解でした。
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時々こういった梯子が現れますが、必ずってほど前後に雪の上を踏み抜いてしまいました。
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広く平らな尾根はコース上1か所だけでした。
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北葛岳全容。
すぐ目の前の林の斜度は今立っている尾根と同じなので45度近くあるのがわかります。
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両手、両膝、両爪先を使っての6足歩行です。
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胸突き八丁はよく聞きますが、ここは鼻突き八丁です。さらに斜度が増します。
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進むも地獄、戻るも地獄です。
股の下からカメラを構えて撮ってみました。(怖)
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もう少しで林を脱出できそうです。
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視界が開けて、ダムを挟んだ向こう側の唐沢岳です。
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さらに登ると・・・ついに見えてきました槍ヶ岳と奥穂高岳!
一番奥のとんがりは前穂高岳でしょうね。
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もう少し高度を上げていくと細波が立っているような雪原が現れました。
どういった現象なんでしょう?
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脚が全く上がらなくなってきました。
立ち止まって景色を眺める回数が増えたのはこの眺めのせいだけではありません。
槍ヶ岳へと連なる裏銀座縦走コース。
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一番左の白い頂は燕岳で表銀座縦走コースが連なります。
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振り返って七倉ダム。
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あと少しで16時になります。明るいうちに小屋までたどり着けるでしょうか心配になってきます。
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天狗の庭からの眺め。槍ヶ岳を中央に左側が表銀座で右側が裏銀座。
よく言うところの槍ヶ岳は銀座4丁目ですね。
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七倉尾根のピーク(三角点)が見えてきました。
今日の目的の船窪小屋はまだその先になります。
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また振り返ります。ミシン目のようなトレース。
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ああ、ついに稜線の向こうに日が隠れてしまいました。
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でも、ピークの上に立ったら針ノ木岳、剣岳、立山連峰がお出迎え。
そして日もまだ沈まずに待っていてくれました。
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五色ヶ原~薬師岳の稜線に日が沈もうとしています。
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左は針ノ木岳、右に昨年GWに敗退した蓮華岳。
船窪小屋はここからはまだ見えてきません。
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振り返って槍ヶ岳。残念ながら夕日に染まってくれませんでした。
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雪庇です。接近注意!
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船窪小屋が見えてきました。
木立の左側に道がありそうなのでそちらを通ります。
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日没寸前でようやく到着です。時刻は18時17分。
11時間弱かかりました。最後の方は景色を見ながら歩いたので疲れはだいぶ回復しています。
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冬季小屋は雪に埋もれてるような事は無かったのですが引き戸の内側が雪と氷で戸が動かなくて
外に出ていたバールとハンマーを使ってこじ開け中に入ります。
スリムな僕は(笑)何とか中に入れましたが、メタボなザックは中に入れません。
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せっせと雪と氷を割って外に出し、やっと戸がスムーズに動くようになりました。
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食事の時間もすっかり遅くなってしまいました。
夕食はアルファ米のわかめご飯と名古屋コーチン入りつくねと野菜の和風煮(レトルト)です。
喰ったらさっさと寝ます。
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2日目の朝です。
昨夜、星空撮影をしようと思っていましたが、月明りと街灯りと薄曇りが微妙だったので止めました。
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ヒンヤリとした空気の中を七倉岳山頂に向かいます。
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いよいよ日の出です。
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浅間山の噴煙が薄っすらと見えます。
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富士山も見えました!
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ひょっとして今年初のご来光かも。
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槍ヶ岳ほんのり桜色。
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正面に不動岳、右奥の薬師岳もほんのり染まってます。
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正面が船窪岳で右奥に立山連峰。
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小屋に戻ります。景色に見とれてばかりいると危ないです。
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小屋の場所、最高です。もう1日のんびりしようかと思ったくらいです。
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小屋を丁寧に掃除して、荷物をまとめて帰りましょう。
進行方向に槍ヶ岳。
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振り返って剱岳、立山。
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どんなに苦労して登って来ても、名残惜しいけど帰らなくちゃいけません。
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見上げると2本のトレース。
歩幅の違いですね、登りのトレースの方がハッキリしています。
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青く幾重にも連なる山々も幻想的です。
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七倉山荘の駐車場が見えてきました。
昨日は2台だけだった駐車場も今日は5~6台見えます。
下山後に聞いた話では皆さん観光の方々の様でした。
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七倉山荘に到着したら何人かに同じように「熊に会わなかったか?」と聞かれた。
どうやら30分ほど前に沢沿いの登山口付近に熊が出たとの事。
30分も前だったらかなり移動してるだろうけど、何はともあれ熊に鉢合わせしなくてよかった。

今回の山行で身に染みて感じた事・・・
こういう山登りはもっと若いうちにやっとくべきだったと痛感した。
以前歩いたブナ立尾根~野口五郎岳(裏銀座プチ縦走)をいつかは全山縦走をと思っていたけど
多分この年齢じゃもう無理だなと半分諦めが付いた。半分。



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thread: 山登り | janre: 趣味・実用 |  trackback: 0 | comment: 16 | edit

コメント

こんばんわ。凄いなぁー!!
私なら途中でダウンかもしれませんね。
今の体力なら日帰り15kmコースくらいが限度でしょうね。
泊まりで登るつもりはないので、縦走は基本的に無理です。
春山は怖いですから十分注意が必要ですね。
素晴らしい景色見せてもらいました。

野付ウシ #- | URL | 2017/05/05 19:42 * edit *

こんにちは!凄い登山でしたね。読んでいてハラハラしました。
一方で私も男性に生まれたかったと羨ましくも(笑)
それにしても朝の山頂からの絶景は幻想的で素晴らしいですねー。
富士山も見えて~いいですね!
あと半分の気持ちは今後どうされるのでしょう?(笑)
クマに雪崩に十分お気をつけて楽しんでくださいね^^

葉月 #- | URL | 2017/05/06 12:22 * edit *

素晴らしい景色を見せていただきました。
低山専門なので、槍や穂高など、高い山を見ると興奮します。
熊には気をつけてください。

風来坊 #- | URL | 2017/05/06 13:02 * edit *

こんにちは、中ノ俣さん!

静かな、ぴんっとした空気を感じるレポでした。
登っている最中の緊張感、視界が開けた瞬間の山々の連なり、暮れゆく空、静まり返る山、そして明けゆく空と目覚める山…素敵な時間の連続に、帰りたくなくなりますね(笑)
最後の熊さんは、遭わずにすんで良かったです(^^;

ここのところ、自分の中の恐怖心をどう克服するか悩んでいるのですが、このレポを読んで少し踏ん切りがつきました。
結局私は山に行かずにはいられなくて、それも峰の向こうの景色を見たいのだから、覚悟を決めて進むしかないんだな、と。
山に登り始めたころの気持ちを思い出させてくれて、ありがとうございました(^^

悠 #- | URL | 2017/05/06 15:28 * edit *

中ノ俣さんのGWは、やっぱり北アルプスだったんですね♪
ほんと、良き眺めです。(^^♪
そこに行った人だけが見ることのできる景色ですね~。
この大絶景の中に身を置けたら・・・
「ずっと眺めていたいなぁ」と思うのか、帰りの行程を考えて
「のんびりしてる場合ぢゃない。さ、帰ろ。帰ろー」となるのか
私だったら、どっちだろ。。。と思ってしまいました。(^^;
桜色の槍ヶ岳にポッ。(#^^#)
足元のクラックにはひやひや。
連なる山並み平行線に神を感じました~。
それにしても、噂通り、急登ですね。(*_*;
でも、いつか船窪小屋にご飯を食べに行きたいな~。

chikoやん #0iKXazQU | URL | 2017/05/06 19:27 * edit *

野付ウシさん、コメントありがとうございます(^o^)

踏み抜きが連続したときはさすがにもう限界と何度も思いましたが、
時間をかければ何とかなるものですね(^^;)
急斜面での雪崩と滑落が一番の心配でしたが、そう言った意味では心身共に疲れました。
よく、脳は辛い事や苦しい事は忘れるようにできていると言いますが
あの景色を見た途端、それまでの疲れはいっぺんに吹き飛んでしまいましたよ(^^)

中ノ俣 #Y2kgqtPU | URL | 2017/05/06 20:07 * edit *

葉月さん、コメントありがとうございます(^o^)

男に生まれてきてよかったです(^o^)
2日間とも誰にも会わず
早朝のシーンとした冷たい空気の中で眺める景色は涙が出そうになるほど感動的でした。
普段大きく見える富士山を見慣れているのに
あんな遠くから富士山が見えると嬉しくなるのは何なんでしょう?不思議です。
あと半分の気持ちですか・・・
諦めきれないので、体力つけるしかないですね(^^;)

中ノ俣 #Y2kgqtPU | URL | 2017/05/06 20:17 * edit *

風来坊 さん、コメントありがとうございます(^o^)

ご訪問ありがとうございます。

熊は、どうせだったら「遠目」に見てみたかったです(^^)
どちらかと言うと奥武蔵や奥多摩の方が出くわす確率が高いような気がしますので
お互い気を付けましょうね。

中ノ俣 #Y2kgqtPU | URL | 2017/05/06 20:23 * edit *

悠さん、コメントありがとうございます(^o^)

そうです!
がんばって登り続けられたのは、
「稜線の向こう側の景色が見たい!」ただそれだけでした。
もちろん天気が良かったからなんですけど
天気が悪ければ眺望も期待できないので
先にトライした唐松岳の時のように
あっさりと引き返していましたね。
今回の山行の記事を書いていて再認識させられたのが
このブログのサブタイトル「青空・写真・時々テント」・・・
やっぱこの路線で行くべきだなって初心に帰りましたよ(^^)
そのためにはテントを背負って歩ける体力を取り戻す事も必要ですけどね(^^;)

中ノ俣 #Y2kgqtPU | URL | 2017/05/06 20:34 * edit *

chikoやんさん、コメントありがとうございます(^o^)

へへへ、GWと夏休みと紅葉時期にそれぞれ一回は北アルプスに行っとかないとって感じですかね(^^)
あの景色の中で、どうせ誰もいないんだからもう1泊しようかと悩みましたが
登山計画書を出しているので予定通り下山しないとまずいなと思い下山しました。
船窪小屋はとても眺めの素晴らしい場所にありますよねー。
烏帽子小屋は表銀座の山並みが見れないので行くんだったら断然船窪小屋です!
でもchikoやんさんは、今年は双六から槍穂や黒部の山々を眺めるのが先ですかね(^^)

中ノ俣 #Y2kgqtPU | URL | 2017/05/06 20:50 * edit *

「残雪を追いかけてみようかな」とは聞いていたものの
まさかこんなチャレンジングな山行をされるとは…やっぱり中ノ俣さんだなぁ(笑
踏み跡のない真っ白な山肌に自分の足跡だけが残された情景は、この上ない達成感があるのでしょうね。雪庇・雪崩・野生動物との遭遇等々、春山ならではの危険にも遭わず無事下山できて本当によかったです。
雲海に浮かぶ富士山が北アからこんなにクッキリ見えるなんて、超感動です!!
GWは富士山に会えなかったけれど、ここで遥拝できて満足しました☆

TIQI #- | URL | 2017/05/08 20:50 * edit *

TIQIさん、コメントありがとうございます(^o^)

最初は去年のGWに強風で敗退した蓮華岳のリベンジを考えていたんですが、
どうせなら日帰りではなくて山頂で朝を迎えたいと思い七倉岳にしました。
途中、下の方ではトレースが無くて夏山未経験をちょっと後悔しましたが
展望が開ける頃は興奮気味に前へ前へと勝手に足が進みました。
前日確認できなかった富士山も早朝には確認できてうれしかったです。
見えていたのは僅かな時間でしたけどね。
肉眼ではもっとはっきりと見えていたんですけど
高価な明るいレンズでないと奇麗に撮るのは難しいんでしょうか。

中ノ俣 #Y2kgqtPU | URL | 2017/05/08 22:03 * edit *

中ノ俣さん、お久しぶりです。
青レンジャーは生きていましたよ~。
中ノ俣さんは相変わらず渋い山チョイスですね~。七倉岳ですか~。いつかはあの船窪小屋にお泊りして、山菜天ぷら食べたいですね。

登り11時間~!!!本当に本当にお疲れ様でした。踏み抜き地獄はきついですね。体力の消耗が激しいです。

槍ヶ岳や穂高連峰がうっすらピンクに染まった景色を独り占めって、苦労して登ってきたかいがありましたね。5月2、3日は空気が澄んでいて、登山日和でした。最高のお天気の中登れて、本当に良かったですね☆

山ガールの青レンジャー #- | URL | 2017/05/11 10:27 * edit *

お疲れさまでした。
お蔭様で
私には困難と思われる位置からの
素晴らしい景色を拝見いたしました。
ありがとうございました。

奥武蔵の山人 #- | URL | 2017/05/11 12:25 * edit *

山ガールの青レンジャーさん、コメントありがとうございます(^o^)

青レンジャーさん、お久しぶりです!
生きてましたか~(≧▽≦)
>相変わらず渋い山チョイスですね~
実はGWだし、入山してる人が他にもいてトレースもあるものだと思ってましたが・・・(^^;)
でも、期待を裏切らない眺望に大大大満足の山行でした。
船窪小屋の立地は最高の場所です。
山菜天ぷらが無くても、いつかまた行きたいですね。

中ノ俣 #Y2kgqtPU | URL | 2017/05/12 20:01 * edit *

奥武蔵の山人さん、コメントありがとうございます(^o^)

ご訪問ありがとうございます。
たぶん何枚写真を撮っても
あの時の感動がうまく伝わらなくてちょっぴり悔しいんですけどね・・・
もうちょっと心に響くような写真を撮れるように
まだまだ山登りも続けるように頑張ります(^^;)

中ノ俣 #Y2kgqtPU | URL | 2017/05/12 20:08 * edit *

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